歴史的図書館用品とは
今日、図書館における業務の在り方は大きく変化し、デジタル技術を応用することでより充実した環境となっています。
一方で図書館の発展を支えてきたかつての用品(各種帳票類などの消耗品、事務用品)、家具、機器類は少しずつ姿を消し、図書館における営みの歴史が薄れゆく現状です。これらの用品は現場職員の工夫により生まれたものや、図書館用品の専門企業による開発、また相互の研究によって創り出されたものなどさまざまです。いずれもより利用しやすい図書館、より効率的な業務改善を追求するなかで、生み出されてきたものです。それが広く普及することにより、用品の標準化を実現してきました。
用品の歴史は図書館発展を跡付けるものとして大変に貴重であり、後世へ伝えるべき資源であると考えます。
しかしながら、それを保存し後世に伝える努力はほとんどされてきていませんでした。現場で現物を保存し続けることは困難であることや、官庁の物品管理の規定などにより、廃棄・散逸することを黙ってみているほかはない状況です。個人的な努力によって、かろうじて維持されているものもありますが、それもわずかです。
キハラ株式会社は図書館の発展史において参考となる用品や家具、機器などを調査、収集、保存する図書館振興事業を、2004年より日本図書館協会と協力しながら実施してまいりました。そして2024年、キハラ株式会社は創立110周年を迎えることとなりました。そこで当社がこれまで図書館とともに歩んできた歴史を、感謝をもって振り返るとともに、歴史的図書館用品のデジタルアーカイブを公開することとなりました。
今後も様々な分野での貢献を視野に、これらの資料の有効活用を計画しています。今後とも皆様のご支援を頂戴できれば誠に幸いです。
キハラ株式会社
資料保存事業推進室